つくばホスピタリストの奮闘記!

つくば市在住の感染症内科医・総合内科医によるブログ。臨床現場での雑感、感染症などの話題、日常生活について発信します。2019年は東大の感染症内科、2020~2022年は筑波大の病院総合内科に所属、2022年8月からは東京医大茨城医療センターの総合診療科で臨床助教をやっています。ここでの記載内容は個人的見解です。

《内科専門医試験》感染症・アレルギー・膠原病まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は感染症内科とアレルギー膠原病内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「風邪に抗菌薬は使わない」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」とか「忘れがちだなー」というところだけまとめている(USMLEの問題集や論文で見た知識も入れているので、内科専門医試験に完全準拠しているわけではない!)。あと、定番問題も取りこぼしなく反映しているわけではないので、そこは学会公式または市販の問題集などで補ってもらえるとありがたい。一応、2022年の試験で出題された部分には★をつけておいた。

 

感染症
・ただちに届け出る5類: 麻疹、風疹、侵襲性髄膜炎感染症
・薬剤耐性緑膿菌は5類定点、CREは5類全数把握(保菌は届け出不要)
・インフルエンザは5類定点だが脳症を起こすと全数把握になる
・4類は動物を介するもの:オウム病、ライム病、レプトスピラ症、日本紅斑熱、ツツガムシ病、Q熱(リケッチア科Coxiella burnetii)、SFTS
SFTS飛沫感染対策も必要
疥癬(ダニ)や発疹チフス(シラミ媒介)は個室隔離を ★
※ (あまり記憶にないが)特殊な感染対策を要する人獣共通感染症を選ばせる問題があった気がする……

 

日経新聞(2022年1月27日)。「COVID-19は2類である」みたいな誤文出るかな

 

ワクチン
・生ワクチン:BCG、麻疹、風疹、麻疹・風疹混合、水痘、ロタ(1価・5価)
・生ワクチン接種間隔27日、不活化ワクチン接種間隔6日
・麻疹や風疹などのウイルスは自然史(症状の時系列)を復習、COVID-19の情報も厚労省の手引きでアップデートしたい

梅毒
・生物学的偽陽性:麻疹、水痘、EBV感染、マイコプラズマ膠原病(SLE)★

感染性腸炎
・起因菌と潜伏期間:概ね数日の潜伏期間あり;ブ菌は4時間;エルシニア/ビブリオ/サルモネラ/バチルス(語呂:海老・鯖)は12時間前後
カンピロバクター腸炎の人を帰す時はギランバレー症候群の遅発の可能性を説明

HIV感染症
・AIDS指標疾患23個の中に口腔カンジダは含まれない、死因はPCP最多
帯状疱疹はCD4関係なく発症(CD4 <200で増えはするが)
・合併症:HIV腎症(FGS/ネフローゼ)、AIDS関連認知症前頭葉萎縮)、カポジ肉腫

アレルギー総論
・Coombs/Gell分類I~IV型と疾患の対応:I型(即時・IgE)喘息や鼻炎、蕁麻疹;II型(細胞傷害・IgGとIgM)AIHA、ITP、Goodpasture症候群、慢性甲状腺炎、重症筋無力症;III型(免疫複合体・IgGとIgMとIgA)血清病、SLE、糸球体腎炎、血管炎;IV型(遅延型・T細胞)接触性皮膚炎、薬剤アレルギー、GVHD
接触性皮膚炎はパッチテストで診断(×プリック、スクラッチ、皮内反応)
・蕁麻疹は特発性が70%(夜に多くて再発/治療抵抗化しやすい)、原因同定が5%
・近年のRASTでは、感度・特異度を上げるために蛋白成分(コンポーネント)を標的にした検査がなされる
・卵白蛋白:加熱してもアレルゲン活性を残すオボムコイドと、加熱で活性を失うオボアルブミン
・小麦蛋白:ω-5グリアジン
・ピーナッツ蛋白:Ara h2(加熱でアレルゲン活性を残す)

アレルギー性鼻炎
・スギ花粉症舌下療法:検査での確定診断(スクラッチテスト、プリックテスト、皮内テスト、特異的IgE)必要、飛散シーズン前に開始、妊娠中継続OK、妊娠中開始/再開NG、5歳以上が適応
・ダニへの舌下免疫療法も承認
アレルギー性鼻炎に対するオマリズマブが適応拡大(喘息、蕁麻疹に引き続き)
・通年性鼻炎については鼻漏型がH1RA、鼻閉・充全型がLTRA(妊婦注意)

遺伝性血管性浮腫
喉頭浮腫リスク、C1-INH欠損が原因、NSAIDsがリスク因子
・C4低下が診断に有用、治療はトラネキサム酸

食餌依存性運動誘発アナフィラキシー
・10代に多く、食後2~3時間の運動がトリガー
・NSAIDs、ACE-I、サリチル酸が修飾因子で体調不良や生理にも左右される
・小麦(最多)や甲殻類が原因食物として多く、食後2~3時間は運動しないこと

口腔アレルギー症候群 OAS
・リンゴ、モモ、サクランボなどの特定食物で口腔腫脹・掻痒など
・シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシヤブシ等の花粉症と関連
・共通抗原としてプロフィリン等アレルゲンコンポーネントによる交差反応
・原因除去が治療法だが、加熱・加工で摂取可能になることもある

ラテックスフルーツ症候群
・ラテックスとフルーツ(栗、バナナ、キウイ、アボガド)による交差反応、I型

薬剤性過敏症症候群 DIHS
・原因薬剤は抗てんかん薬、サルファ薬、アロプリノール、ミノサイクリンなど
・診断基準:①特定薬剤投与後に遅発性に生じる急速拡大の紅斑、②原因薬剤中止後2週間持続する、③38度以上の発熱、④肝機能障害、⑤白血球増加 or 異型リンパ球出現 or 好酸球増多、⑥リンパ節腫脹、⑦HHV-6の再活性化(発症2-3週間後)
治療は原因薬剤中止、ステロイド投与

全身性エリテマトーデス(SLE)
・Ⅱ+Ⅲ型アレルギー、殆どCRP上昇しない
・活動性は血清補体価低下、dsDNA抗体増加、白血球数低下、血小板数低下、血尿、蛋白尿で判断
※ 誤り選択肢としては、CRP上昇、赤沈亢進、抗核抗体陽性が頻出
・予後規定因子は腎障害と中枢神経障害
・TNF-α阻害薬は使わない(ステロイド、シクロホスファミド、MMFは使う)
・無痛性口腔内潰瘍、自己免疫性溶血性貧血、非びらん性関節炎、胸膜炎・心膜炎など分類基準に掲載されている合併症をチェック
・ACR分類基準(1997年)では蛋白尿として尿定性検査(3+~)が許容
・SLICC分類基準(2012年)では尿蛋白の定量が必要で(500 mg/日~)、非瘢痕性脱毛と直接Coombs試験が加わっている
・薬剤性ループスの原因として、ヒドララジン、イソニアジド、プロカインアミド、フェニトインが有名

関節リウマチ ★
・遺伝的要因としてHLA-DR4保有、発症・増悪リスク因子として喫煙や歯周病
・ACR/EULARの分類基準:① 罹患関節(大小どちらの関節が何か所か?)、② 血清学的検査(RF、抗CCP抗体)、③ 急性期反応物質(CRP、赤沈)、④ 症状持続期間(6週未満か、以上か)
・合併症として、皮下結節(SLE活動性を反映、荷重部)、間質性肺炎(男性優位)、胸膜炎(男性優位、胸水中の補体低下あり)、手根管症候群、多発単神経炎
レイノー現象なし
DIP関節炎はまれ(⇔ 変形性関節症、乾癬性関節炎)
・関節液は好中球優位、関節滑膜はリンパ球優位
・リハビリは等尺性筋力訓練を
・予後予測因子として、疾患活動性、RF & 抗CCP抗体、リウマチ結節
・治療における標的分子は、IL-6とTNF-α
・高齢発症関節リウマチの特徴は、① 男女差が少ない、② 亜急性~急性経過、③ 大関節好発、④ 四肢近位筋疼痛あり、⑤ 微熱や体重減少あり、⑥ 炎症反応が高い、⑦ 貧血や低蛋白血症あり、⑧ RFや抗CCP抗体陽性が少ない

強皮症 ★
・抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70抗体):肺線維症
・抗U1-RNP抗体:肺高血圧症
・抗RNAポリメラーゼⅢ抗体:強皮症腎
※ 抗Scl-1抗体は「線維」のS、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体はReNAlと記憶
・抗セントロメア(Centromere)抗体:CREST症候群(皮下石灰化、レイノー、食道蠕動低下、皮膚硬化、毛細血管拡張)
・皮膚硬化にはステロイド、皮膚潰瘍にはプロスタグランジンとCa拮抗薬
・腎クリーゼにはACE-I/ARBで治療、ステロイドは慎重投与(血圧上昇リスク)

多発性筋炎/皮膚筋炎 ★
・近位筋の対称性筋力低下に加え、非破壊性/非変形性多関節炎も
・抗Jo-1抗体(抗ARS抗体の一種)は間質性肺炎が多く、ステロイド有効
※ 「機械工の手」の写真を見ておく!
・抗MDA5抗体は皮膚症状に乏しいが進行性間質性肺炎を発症
※ 予後があまりにも悪いので、不謹慎ながら「治療してもMuDA」と記憶
・悪性腫瘍の合併を疑って検索を;貧血なら消化器癌を考えて便潜血など

 

Chatterjee S. N Engl J Med 2021;384:e16.

 

シェーグレン症候群
WBC減少、IgG上昇、抗SS-A/SS-B抗体、抗α-フォドリン抗体
・診断がすごく面倒:① 生検所見は口唇腺または涙腺(×耳下腺)、② 唾液腺造影検査が必要(ガム試験やサクソン試験のみはNG)、③ 眼科検査ではシルマー試験の異常に加えてローズベンガル試験かフルオレセイン試験のどちらかの異常が必要、④SS-A抗体かSS-B抗体の陽性
※ 「唾液分泌能を評価するためにローズベンガル試験を実施する」みたいな誤文は出題しやすい
・合併症として、間質性腎炎や遠位尿細管性アシドーシス(低K血症)、悪性リンパ腫(10~40倍)、慢性甲状腺炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎
・抗SS-A抗体は感度が高くて特異度が低い;抗SS-A抗体は新生児ループスと関連

ベーチェット病
・遺伝的素因はHLA-B51以外に、HLA-B26も
・主症状は、口腔内再発アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、眼病変、皮膚病変(有痛性結節性紅斑様皮疹、血栓性静脈炎、毛嚢炎様皮疹) ※ 外陰部潰瘍は皮膚病変と別
・副症状は、変形硬直のない大関節炎(X線異常なし)、精巣上体炎、回盲部潰瘍、血管病変(動脈も静脈もあり)、中枢神経病変(髄膜炎など)
・針反応が見られるのは、刺入から24~48時間以内
・治療としてコルヒチン、ステロイド、アダリムマブ、インフリキシマブ

結節性紅斑
・鑑別診断は、ベーチェット病、血管炎症候群、結核、サルコイドーシス、炎症性腸疾患、溶連菌感染症経口避妊薬、サルファ剤など

成人スティル病
・分類基準の大項目に数字が多い。1週間以上持続の39℃以上弛張熱、2週間以上持続の関節痛、サーモンピンク皮疹、好中球増加を伴う白血球増加
・小項目:咽頭痛、リンパ節腫脹、脾腫、肝障害、RF陰性、抗核抗体陰性
・血清フェリチン上昇は有名だが、実は分類基準の項目に入っていない

リウマチ性多発筋痛症
・症状は2週間以内に完成し、朝のこわばりは1時間以上持続
・CK上昇せず、超音波やMRIで滑膜炎所見

線維筋痛症
・有病率2%と多い
・3か月以上持続する左右半身、上下半身、体軸と広範囲の疼痛
・プレガバリン、デュロキセチン(SNRI)、トラマドール(弱オピオイド)が推奨
ノイロトロピンは検討して良い程度、アミトリプチリン(三環系)は推奨度低い

IgG4関連疾患 ★
・自己免疫性膵炎、硬化性胆管炎、ミクリッツ病、慢性甲状腺炎、後腹膜線維症、尿細管間質性腎炎など、IgG4陽性形質細胞浸潤・線維化で臓器障害、治療はステロイド

血清反応陰性脊椎関節症(脊椎関節炎)
・日本人には少なく、20~30代の白人男性に多い
・遺伝的素因としてHLA-B27保有あり
・付着部炎や前部ぶどう膜炎、大動脈弁閉鎖不全症、IgA腎症、腸管潰瘍などの合併症を伴うが、RF・リウマトイド結節・末梢神経障害なし

Perthes病
・大腿骨頭の特発性壊死(avascular necrosis)、4~10歳に好発
・基本的に自然軽快(~18か月)
・経過観察で対応するが、免荷も検討

Paget病
・骨のターンオーバー亢進で、X線ではモザイク様または綿花様の骨皮質に
・米国では40歳以上の成人の4%に発生
原発副甲状腺機能亢進症と関連
・経過観察で対応し、疼痛コントロール
・ただし、1%の症例で骨肉腫を生じるので注意

 

「medicina」2022年6月号が出ました ‼

最近出版された『経営者』(新潮文庫)、気になって書店で時折立ち読みしていたのだが、たまたまつくば駅前の図書館に単行本が置いてあるのを見かけたので、借りてガッツリ、楽しく読ませていただいた。とはいっても、自分のようにバブル経済の時期を知らない人間にとっては難解な部分もあったわけだが……。なかなか辛口の本で、たくさんの経営者が取り上げられているのだけれど、評価されているのはごく一部の経営者だけだった。漠然と自分が感じとったのは、カネのニオイがプンプンする(あるいは、機械的に業績を上げるマシンと化しているような)企業は長期的には上手くいかなくて、逆に公益を考えてそれを地道に実践する企業が生き残っていけるんじゃないかということ。近江商人の「三方よし」とか、企業の成果や収益を社会に還元していくとか、そういった会社が時代を越えて生き残る

 

『経営者』、日本特有のドロドロが描かれていて勉強になった。後ろはオマケ

 

辛辣ではあるのだが、まっとうな価値観が述べられていて読んでいて少しホッとする一冊だった。自分が一番素敵だなと思ったのが小倉昌男ヤマト運輸)の記事で、運輸省三越に対する反骨的な姿勢がかっこいいだけでなく、「最後は人間の品性ですよ」とインタビューに答えるところなど、本当に素敵な人だと思った。小倉昌男には著書もあったと思うので、機会があれば是非読んでみたい。少しだけ引用しよう。なんとなく渋沢栄一流の「論語と算盤」っぽさを感じないだろうか。

 

 小倉は筋金入りの「市場主義者」である。しかし、ソフトバンク孫正義はじめ草創期のインターネット関連企業の経営者がくりかえし口にした「時価総額経営」とは明らかに一線を画する。それどころか、株価に全てが収斂する経営を「ナンセンス」と言い切る。

 小倉昌男の市場は、なによりもまず、「人が生きて生活する社会」であり、共同体である。それぞれの場所、それぞれの時に応じて、その共同体の成員にとって、必要なサービスは何か、必要なものは何かということから発想する。

(中略)

 小倉昌男が考えつづけ、そして実践しつづけたテーマは、資本主義は公益に資することができるのかという問題だった。それは、英国の最後の古典派の経済学者にして、ジョン・メイナード・ケインズの師匠でもあったアルフレッド・マーシャルが提起した「経済騎士道はあり得るのか」というテーマでもある。古くて新しいテーマである。

 

この本では、日本の経営者が陥りがちな失敗についてもしっかり追究されている感じがあって —— 例えば、家族的経営がいつの間にか身内贔屓にすり替わっていないかとか、そういったところは自分も気をつけていかないとなと痛感した。自分が経営者になるというわけではないのだが、やっぱり現場では多かれ少なかれリーダーとして振る舞わないといけない場面もあるだろうから、こういった経営者としての心構えも知っておかないといけないなと思うわけである。

 

 

……とまぁ、最近読んだ重量のある本の解説だけで今回の記事を締めくくっても良いのだが、宣伝をちょっとだけ。2022年6月に医学書院から出る「medicina」が感染症特集「抗菌薬の使い方」で、自分も縁あって「腸管感染症」の項目を執筆させていただいた。正直なところ、この特集の執筆陣が業界のレジェンドばかりで恐縮のあまり筆が進まなかったこともあったのだが、ベテランの先生方の胸を借りるつもりで書かせていただいた。「medicina」は学生時代から愛読していることもあって、今回2回目の単独執筆の機会をいただけたのはとても嬉しい。

 

単独著者ではあるが、実は各方面からご助言いただいての執筆(感謝!)

 

この「medicina」に関して余談を少しだけ。まず、今回の「medicina」は珍しく筑波大学附属病院から2本の記事が出ている。自分の書いた「腸管感染症」と、感染症内科のT先生の書かれた「嫌気性菌」。自分が最初にオファーをいただいた際に、T先生が「嫌気性菌」の担当とも知って、「お題が『嫌気性菌』だと、どういう風に書けば良いんだろう? このテーマ、自分だったら結構難しいかも?」なんて思っていた。出来上がったT先生の記事を読んでみて膝を叩く。「検体採取についてめちゃくちゃ詳細に書いてあるじゃない!」—— 構成力がやっぱり凄いなぁと頭が下がる気持ちだった。実際、嫌気性菌は検体採取のところで差がついてしまうのだが、この部分は実地診療ではおざなりになってしまいがちだ。

 

なお、自分の記事(「腸管感染症」と題して下痢を語っている)はというと、他の記事よりもかなり穏健な内容に仕上げているので、もしかしたら面白みに欠けるかもしれない。実は2020年7月の「medicina」でも「旅行者下痢症」の項目を執筆しているので、医学書院のオフィスから「下痢の専門家」と勘違いされていないかは少々心配である。白状すると、自分の担当患者さんの下痢を止めることに関してはそんなに上手くないという自己評価だ。そんな下痢ベタの書いた下痢の記事ではあるが、もし書店に立ち寄った折には手に取っていただけると嬉しい。

 

 
※ 2022年6月15日追記:「腸管感染症」の記事の中で「アジスロマイシン 1回500 mg, 1日3回, 3日間」との記載がありますが、こちらは「アジスロマイシン 1回500 mg, 1日1回, 3日間」の誤りです。出版社と確認の上で「medicina」2022年8月号での正誤表発行および電子版での修正という形で対応させていただく形といたしましたが、読者の皆様には深くお詫び申し上げます。同時に、誤りに対して迅速にご対応いただいた医学書院の「medicina」編集室の皆様に感謝いたします(自分が誤りを発見してから僅か4時間でこのようにご対応いただいた次第です)。

《内科専門医試験》神経内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は神経内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「脳梗塞は脳の血管が血栓などで詰まって起こる」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」とか「忘れがちだなー」というところだけまとめている(USMLEの問題集や論文で見た知識も入れているので、内科専門医試験に完全準拠しているわけではない!)。あと、定番問題も取りこぼしなく反映しているわけではないので、そこは学会公式または市販の問題集などで補ってもらえるとありがたい。一応、2022年の試験で出題された部分には★をつけておいた。

 

神経解剖など
錐体路皮質脊髄路):大脳中心前回 → 内包後脚 → 中脳大脳脚 → 橋縦束 → 延髄錐体交叉 → 脊髄側索・前索 → 脊髄前角 ★
同名半盲は、視索外側膝状体もしくは後頭葉視覚領野の障害で発症
・ ブラウン・セカール症候群(脊髄半側症候群):障害部位以下の対側温痛覚障害、障害部位以下の同側深部感覚障害、障害部位の同側弛緩性麻痺、障害部位以下の痙性麻痺
・ 鷲手は尺骨神経麻痺、下垂手は橈骨神経麻痺、猿手は正中神経麻痺 ★
※ 語呂合わせは「ワシ加藤にまさる」、各神経の支配域も覚えとくとよい?
・ フローマンサイン:両手の母指と示指で髪をつまんで反対側に引っ張ると母指第一関節が屈曲する現象 → 尺骨神経麻痺(肘部管症候群)
・ 神経生検は腓腹神経で行う

脳波
・ 健常者ではβ波
・ 安静閉眼時には後頭部優位にα波
・ 高齢になるとα波が減少
・ 入眠時にはθ波
・ 過換気では高振幅の徐派化あり(build up)

スコアリング
・ ABCD2スコア:年齢 >60歳(1点)、血圧 >140/90 mmHg(1点)、臨床所見(片麻痺2点、構音障害1点)、持続期間(60分以上2点、10~59分1点)、糖尿病(1点)の合計7点(TIAから2日以内の脳梗塞発症率:0~3点 1.0%、4~5点 4.1%、6~7点 8.1%)
※ 「エービーシーディースクエアスコア」と読むことは意外と知られていない
・ CHA2DS2-VAScスコア:うっ血性心不全(1点)、高血圧症(1点)、年齢 >75歳(2点)、糖尿病(1点)、脳梗塞またはTIA(2点)、血管疾患(1点)、年齢65~74歳(1点)、女性(1点)

脳梗塞急性期
・ 低酸素血症がなければ酸素療法は非推奨
脳梗塞に伴う高血圧は、血栓溶解療法の文脈を除けば、降圧は非推奨
・ 体動困難症例における深部静脈血栓症予防として、間欠的空気圧迫法が推奨 ※弾スト非推奨
MRIミスマッチ下での血栓溶解療法は「考慮してよい」
・ t-PAの禁忌は確実に:① 発症 >4.5時間、② 非外傷性頭蓋内出血、③ 1か月以内の脳梗塞TIA除く)、④ 3か月以内の重度の頭部・脊髄外傷 or 手術、⑤ 21日以内の消化管・尿路出血、⑥ 14日以内の大手術 or 頭部以外の重症外傷、⑦ 治療薬過敏症、⑧ クモ膜下出血(疑い含む)、⑨ 降圧後血圧 >185/110 mmHg、⑩ 大動脈解離、⑪ 重度肝障害、⑫ 何らかの出血合併、⑬ 膵炎、⑭ 血糖値 <50 mg/dL or >400 mg/dL、⑮ PT-INR >1.7、⑯ Plt <10万/μL、⑰ APTT >40秒、⑱ 頭部CT所見(early CT sign, midline shift)
アスピリンの経口投与は発症早期(48時間以内)の脳梗塞患者の治療として妥当、抗血小板薬の2剤併用は非心原性脳梗塞患者の亜急性期(1か月以内を目安)の治療法として推奨
・ エダラボンは脳保護作用が期待されるので急性期脳梗塞患者の治療として検討
・ 低体温療法は有効性未確立なので非推奨

一過性脳虚血発作(TIA
TIAを疑った場合は発症機序を評価してそれに見合う予防治療をただちに開始
TIA急性期(発症48時間以内)の再発防止にアスピリン160-300 mg/日の投与が推奨、さらにABCD2スコア4点以上では急性期(3週間)に限定した抗血小板薬2剤併用療法を検討
・ 急性期以降のTIAに対する治療は、脳梗塞の二次予防に準じて行うことが推奨

脳梗塞再発予防
・ 非心原性脳梗塞の再発予防に、長期の抗血小板薬2剤併用は、単剤と比較して最衣鉢抑制効果が証明されていないので非推奨
・ 出血時の対応が容易な処置・小手術(抜歯、白内障手術など)の際には、アスピリン内服継続が推奨、他の抗血小板薬の内服継続も要検討
・ DOACを使用可能なAf症例ではワルファリンよりもDOACが推奨
・ 非心原性脳梗塞TIA発症予防の時のLDL-Cは、100 mg/dL未満が推奨で、スタチンの効きが悪ければイコサペント酸製剤の併用も要検討

ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群) ★
・ 椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞、椎骨動脈解離が原因
・ 病側の顔面の温痛覚障害あり、深部感覚障害や錐体路障害は一切なし
・ 構音障害、嚥下障害などの球麻痺症状を伴う

 

 

失語症
・ Broca’s aphasia resulted from left sup. MCA stroke
・ Wernicke’s aphasia resulted from left inf. or post. MCA stroke
・ 復唱だけができない → 伝導性失語(頭頂葉
・ 復唱はできる → 超皮質性○○性失語(○○ = 運動 or 感覚)

認知症
・ MMSE ≤27で軽度認知症(MCI)疑い、≤23で認知症疑い
・ HDS-R ≤20で認知症疑い
・ 軽度認知症(MCI)とは、認知機能低下の訴えがあり、認知機能正常でないが、認知症の診断基準を満たさない状態のこと(基本的日常生活動作はほぼ問題なし)
アルツハイマー認知症の重症度:(MCI)記銘力障害 →(軽症)時間の見当識障害・水高機能障害・自発性低下 →(中等症)場所の見当識障害・物とられ妄想 →(重症)人物の見当識障害・着衣失行・失禁
・ ドネペジルとメマンチン(NMDA受容体拮抗薬)は、重度のアルツハイマー認知症で適応あり(軽度の場合は×)
レビー小体型認知症に適応があるのはドネペジルだけ(×メマンチン)
認知症の行動・心理症状(BPSD)への非定型抗精神病薬は死亡率増加あるので、極少量・有症状期間のみの投与とするべき

パーキンソン病
・ 旧4大症候:左右差のある安静時振戦、筋強剛、運動緩慢、姿勢保持反射障害
・ 改訂ガイドラインでは、診断に運動緩慢が必須、他に安静時振戦か筋強剛のどちらかが見られるものをパーキンソニズムと定義(姿勢保持反射障害は定義から外れているので要注意)
・ 安静時振戦は精神的負荷で増悪する
・ 早期症状は、RWM睡眠行動異常症と自律神経障害
・ 嗅覚障害はパーキンソン病の90%に認められ、パーキンソニズムの他原因疾患との鑑別に有用
・ ホーエン・ヤール分類:Ⅰ度は片側に軽い震えや強剛、Ⅱ度は両側に震えや強剛、Ⅲ度は小刻み・すくみ足歩行、Ⅳ度は起立・歩行困難、Ⅴ度は車いす必要
※ ホーエン・ヤール分類Ⅲ度以上が指定難病扱い
・ DATスキャンでの線条体取り込み低下、MIBG心筋スキャンでの集積低下が診断に有用(MSA-PではMIBGシンチ正常~軽度低下であることが多い)
・ L-DOPAで治療開始だが、起立性低血圧に有害事象報告あり
・ 起立性低血圧の治療として、ドロキシドパ、ミドドリン、フルドロコルチゾン
ドパミンアゴニスト:非麦角系のプラミペキソールやロピニロールは突発性睡眠の報告があるので運転禁止、麦角系のペルゴリドやカベルゴリンは心臓弁膜症の報告あり
※ 麦角系は濁音が入る薬剤、非麦角系は濁音が入らない薬剤
Pisa症候群は、パーキンソン病で認められるジストニアで、立位や歩行時に出現・悪化する体幹の側屈などの姿勢異常だが、他動的な運動や背臥位で改善

 

Pisa症候群の動画はググると出てくるぞ

 

急性散在性脳脊髄炎(ADEM
・ 先行感染の症状改善後に出現する中枢神経障害
・ 症状としては意識障害が多いが、他に脳神経障害や錐体路徴候
・ 頭部・頚髄MRIではあらゆる中枢神経部位に異常が出現しうる
・ ミエリン塩基蛋白(MBP)は出現するが、オリゴクローナルバンド(多発性硬化症で陽性)や抗AQP4抗体(視神経脊髄炎で陽性)は出ない
・ 治療はステロイドパルス(3コースまで実施しうる)、他にIVIgや血液浄化も

多発性硬化症
・ 若年・中年女性に多く、日本では増加傾向
・ 空間的・時間的多発性の脱髄症状で、増悪寛解を繰り返しながら次第に増悪
・ 病型としては、慢性進行型と再発緩解型があって、前者の方が概して厄介
・ 視力障害として球後視神経炎、眼球運動障害としてMLF症候群、運動障害として錐体路徴候(四肢痙性麻痺・筋力低下、腱反射亢進、病的反射)、感覚障害としてレルミット徴候、膀胱直腸障害として反射(自動)膀胱が見られる
・ 有痛性強直性けいれんあり、ウートホッフサイン(体温上昇で増悪)
・ 80%の症例で視覚誘発電位異常あり
ステロイドは急性増悪には有効だが、慢性期には無効
・ なので、急性期を過ぎたらステロイドをやめる(⇔ 視神経脊髄炎ステロイド依存性)
・ 再発緩解型の再発予防にIFN-β、グラチラマー、フィンゴリモド、ナタリズマブが有効(一方で、慢性進行型だと効果が薄い)
・ ナタリズマブについてはJCウイルスによるPMLに注意

視神経脊髄炎
・ 40歳前後の女性に好発し、①3椎体以上に及ぶ連続的な脊髄MRI病変、②多発性硬化症の脳MRI基準を満たさない、③血清抗AQP4抗体陽性の3つ中2つ以上
多発性硬化症ではオリゴクローナルバンド陽性だが、視神経脊髄炎では陰性
・ 急性期はステロイドパルスと血液浄化療法、再発抑制にはステロイドやアザチオプリン、リツキシマブ

髄液糖比
・ 低下するのは、① 細菌・結核髄膜炎、② 真菌性髄膜炎、③ 癌性髄膜炎、④ 一部のウイルス性髄膜炎、⑤ クモ膜下出血、⑥ サルコイドーシス

蛋白細胞解離のある疾患群
・ 神経根部の蛋白透過性亢進:Guillain-Barre症候群、CIDP、糖尿病性ニューロパチー、Charcot-Marie-Tooth病
・ 髄腔内IgG上昇:多発性硬化症(×視神経脊髄炎;理由は謎)
・ 髄液還流障害:脊柱管狭窄症

重症筋無力症
・ 女性に好発、高緯度地域に多く、日本では欧米に比して少ない
・ 筋電図ではwaningあり、テンシロンテスト陽性、抗Ach受容体抗体陽性
・ アイスパック試験では、冷凍アイスパックを2分間まぶたに当てることで開眼しやすくなるかを診る
・ 抗Ach受容体抗体陽性例が85%で、この抗体価は重症度を反映
・ 抗Ach受容体抗体陰性例では抗MuSK抗体陽性例が多く、女性に多い・嚥下障害や筋無力症クリーゼリスクが高いなどの厄介な特徴が
キノロン系やアミノグリコシド系抗菌薬で増悪
・ 治療にはステロイドを使用;他の免疫抑制剤としてはアザチオプリンやシクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチルなど
ステロイド使用時には初期増悪現象があるので、少量から開始(ステロイドパルス療法はしない)
・ 重症例では血漿交換やIVIgなども行う
・ 対症療法としては抗コリンエステラーゼ薬(ピリドスチグミンなど)を使うが、半減期の短いエドロホニウムに関してはテンシロン試験での診断的利用に限る

Guillain-Barre症候群(GBS)とFisher症候群(FS)
・ FSの三徴:① 外眼筋麻痺、② 運動失調、③ 腱反射低下
・ 抗ガングリオシド抗体の組み合わせで予後予測:予後良好なのは抗GM1/GalNAc-GD1a複合体抗体、予後不良なのは抗GD1a/GD1b抗体や抗GD1b/GT1b抗体
・ GBSとFSのいずれもIVIgや血漿交換が治療、ステロイドはほぼ無効(CIDPはステロイド有効なので区別すること)
・ 類縁疾患としてBickerstaff型脳幹脳炎があってIVIgで治療、意識障害を伴い、抗GQ1b抗体の関与疑い

多巣性運動ニューロパチー
・ CIDP類似の上肢遠位筋優位の筋力低下を呈する慢性脱髄性末梢神経疾患
・ CIDPとの違いは、① 感覚障害を伴わない、② ステロイドが無効
・ 治療はIVIgだが、ALSあたりと誤診すると治療機会を逃すかも

筋ジストロフィー
・ Duchenne型(>5歳、重症、フレームシフトあり)もBecker型(青年期以降、軽症、フレームシフトなし)も、X染色体劣性遺伝
・ 筋強直性ジストロフィーや肢体型筋ジストロフィーは、常染色体優性遺伝
※ 外国人名のやつはXで、漢字で書くやつは常染色体優性
・ 筋強直性ジストロフィーは、DMPK遺伝子のCTGリピートの延長で生じ、心病変(心伝導障害、心筋障害)、中枢神経症状(認知症状、性格変化、傾眠)、眼症状(白内障、網膜色素変性症)、内分泌異常(耐糖能障害、脂質異常症)、前頭部脱毛、斧状顔貌などを認める ★
認知症状の原因疾患として出題されていたような……?
・ 頭部の筋肉を障害しない筋ジストロフィーは、Duchenne型、Becker型、肢体型の3つ

Charcot-Marie-Tooth病
・ 神経原性筋萎縮、逆シャンペンボトル様下腿筋委縮や鶏歩あり

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー
・ 治療として、タファミディス・ジフルニサル投与と肝移植が有効

筋萎縮性側索硬化症
・ 陰性3徴候:排尿障害、感覚障害、眼球運動障害
・ 非侵襲的陽圧換気(NPPV)や気管切開下陽圧換気が推奨
・ リルゾールが有効だが、努力性肺活量 <60%に低下の場合は投与を控える
・ エダラボンも適応あるが、呼吸困難例・痰喀出困難例では慎重投与

水頭症
・ 原因としてトキソプラズマ感染が含まれる
・ 正常圧水頭症は緩徐進行性で高齢者に多い
・ 歩行障害・認知症・尿失禁が3徴候
・ CTでは脳室拡大所見以外に、脳室周囲低吸収域(PVL)がみられる
・ 治療として減圧・シャント手術 —— 髄液タップテスト(腰椎穿刺)で症状改善

孤発性Creutzfeldt-Jakob病
・ 確定診断(definite)はあくまで病理検査が必要で、RT-QUICによる診断はせいぜいprobableまでに留まる(他マーカーは参考所見に過ぎない)
・ マーカー検査として、特異的な順から髄液・鼻腔RT-QUIC、尿PMCA、髄液14-3-3蛋白、髄液NSE・S-100

片頭痛
・ 40%以上の症例に家族歴あり、加齢とともに頻度や症状は改善
・ 発作頻度が脳卒中と関連しているため、高頻度の場合は予防治療で頻度を減らす

群発頭痛
・ 20~40代男性、片側性、深夜に好発、鼻閉感や耳閉感など自律神経症状も
・ 急性期治療はトリプタン製剤で、予防はカルシウム拮抗薬

神経因性膀胱 弛緩型
・ 膀胱内圧測定中にコリン作動薬であるベタネコールを投与して、反応があれば(末梢が機能しているので)上位ニューロン障害、なければ下位の排尿筋障害などを疑う

ホモシスチン尿症
・ Marfan症候群が最大の鑑別診断
・ 症状は、知的障害、骨粗鬆症、Marfan体形、後湾症、水晶体亜脱臼、血栓症動脈硬化症(心筋梗塞脳梗塞の原因になり得る)
※ 血中ホモシステインが上昇する他疾患として、葉酸欠乏やビタミンB6・B12欠乏症も知っておくとbetter

フェニルケトン尿症
フェニルアラニン水酸化酵素が欠乏
・ 食事療法として、フェニルアラニンを減らす、チロシンを増やす(アミノ酸合成経路の下流部分が足りていないので補充)

Tay-Sachs病
・ ヘキソサミナーゼの活性がなくなることで、GM2ガングリオシド蓄積
・ 3~6か月までは正常に発育するが、筋力低下や発達遅滞が生じ始めて3歳までに死亡
・ Cherry-red spotを伴うが、脾腫は伴わない
※ ここで脾腫を伴ってくるのが、Niemann-Pick病
※ むしろGauche病とかの方が出題しやすい……?

むずむず脚症候群
・ リスク因子は、遺伝・家族歴、鉄欠乏症、尿毒症、妊娠、神経疾患(末梢神経疾患、脊髄疾患、多発性硬化症など)
・ 内分泌疾患は確立したリスク因子にカウントされず

 

仮想クビのすすめ

いきなり「クビ」とはなんと物騒な言葉を!と思われたかもしれないが、ちょうど所属が変わる時期なので、こういう物騒な話題をしても大丈夫だろうということで、敢えて持ち出してみた。医療機関において医者が干されることは多々あるようなのだが、「クビ」にされるという話はあんまり聞かない。それもそのはず、ぼくらの同年代の医者には大人しい人が多い。ぼくらよりも後の世代の医者もだいたいは大人しくて、荒っぽい人はそんなに多くは見かけない。内心どう思っているのかはさておき、とりあえず先輩には逆らわないという人が多いのだ。じゃあ自分はというと、日常的に「上級医の言うことなぞ信用ならん! そんなもんより文献を読むんじゃあ、文献ッ!」という感じなので、相対評価では間違いなく反抗的なサイドの人間になるのではと思う。

 

はりぼぅ! 遠足シーズンになると食べたくなりません?

 

減点主義社会の日本では、反抗的であるというのも減点対象になりがちだ。どんなに秀でたワザを持っていても、反抗的だったり、コミュニケーションが不器用だったりするだけで価値のない人間と見なされてしまう(ITには強いけどコミュ力のない新卒を面接で落としまくった後に「わが社にはなぜITに強い人材が集まらんのだ」と嘆いている経営者の笑い話なんかはそこかしこで聞く)。とりわけ、安定を志向する集団内においては、反抗的な人間をリクルートすること自体が集団崩壊の大きなリスクとなる。このことは自分でもよく自覚していて、後期研修が始まった時から「もし明日自分がクビになったら、その後はどう振る舞えばよいのか?」ということを常に考えては、自分なりにシミュレーションするようにしていた。生涯「自分は自分」というスタンスを貫き通すためにも、避けて通れない道なのだ。

 

 

「もし明日自分がクビになったら」を考えるにあたってお勧めなのは、一時的にフリーランスの医師として生きてみることだと思う。というのも、自分は医師5年目(2021年)の時に大量の有給休暇を余らせてしまったことがある。しっかりと休んで旅行に行きたい気持ちもあったのだけど、コロナ禍なので県外でのレクリエーションは憚られた。おまけに、感染症科医である —— 自粛を周囲に求めている立場上、自分も自粛しなければ示しがつかないという思いもあった。そういうわけで、旅行には行かずに(妻の許しを得た上で)有給休暇を全てアルバイトに費やしていた。つまり、7日間ぶっ続けで外勤をしていた時期があったのだ(1年も経てばさすがに時効だよね?)。

 

アルバイト7連戦(ぜんぶ違う医療機関)の過程で、フリーランス医師市場の色々な事情を知ることができた。どの求人サイトがどの地域の案件を多く抱えているかとか、どんなスキルを持っているとどんな待遇になるのかとか、どの地域が常習的に医師を募集しているのかとか —— 実際に7連戦して「北千住のバイト王」になってみると、フリーランス医師の生活がどんな感じかも何となく想像できるものである。また、アルバイトをしていると周囲の反応を通して自分の市場価値もよく分かってくるし(とりあえず、自分の時価総額が何円かは知っておいた方がいいと思うんだ)、色々なメーカーの電子カルテをいじることで即応力みたいなものも養われていく。そうこうしているうちに、「もし明日自分がクビになったら、◇◇病院でアルバイトをしつつ、その間に△△病院にエントリーしよう」みたいにかなり具体的な方針を立てられるようになるので、「クビ」をあんまり悲観的に捉えなくて済むようになるわけだ。もちろん、アルバイトをする過程でその病院の人事を握っているのが誰なのかはしっかりと見極めておく必要がある。

 

「クビ」になっても何とかなるという確信を抱けるようになると、本業でもなりふり構わず全力で仕事できるようになるのは大きなメリットだ。「保身」を考えていると判断力も鈍ってしまうが、そういった要素から解放されるとニュートラルになれるわけだな。ときどき周りの医者の顔を立てることと患者さんが恩恵を受けることとが対立してしまう状況があるのだが、そういった時に迷うことなく患者さんを優先できるようになる。困難な治療や社会調整を「クビ」覚悟で決断する。今や「クビ」を恐れていないのだから、決して難しい行動ではあるまい。それくらい覚悟を固めて臨むと、不思議なことに周りがサポートしてくれるというケースも少なくはないのだ(この点において病院総合内科は侠気に溢れた場所で、非常に恵まれていると思う)。「断じて行えば鬼神も之を避く」という言葉もあながち間違ってはいないのだろう。

 

自分が自分であることを貫き通したいのであれば、いま所属している生活の土台をいったん手放す体験をしてみる。医者であれば、少しの期間でいいからフリーランスごっこをやってみる。職場以外の仕事場を知ることで、職場だけが世界の全てではないということを体に叩き込んでおく。「保身」に奔らなくても、命を奪われることなんてないんだ —— このことを心の底から納得することで、本業でも恐れることなく「自分らしさ」を発揮できるようになるだろう。「自分らしさ」を発揮する人がもっと現場で増えれば、(組織管理は難しくなるけど)減点主義で閉塞的なこの日本社会も、もう少しは命脈を保てるんじゃないかなと思うのだが、いかがだろうか。

 

《動画編集》AviUtl? Vrew? もう頭がメチャクチャだぁ

YouTuber義勇軍からIn Shotを教わってもらってからというもの、スマホ内に撮りためてきた動画を使って動画編集の練習をしていたのだが、大変なことに気がついてしまった。「自分が作る教育動画ってスマホじゃなくてパソコンで作る予定だから、このままだとマズいんじゃね?」—— そう、仮にIn Shotを使いこなせたとしても、動画の材料をスマホとパソコンとの間でやりとりしていたら時間もメモリも足りなくなってしまうという問題点に気がついてしまったのであった。そういうわけで、義勇軍の助けを乞うことにした。


ワシ「In Shot的なことをパソコンでやるにはどうしたらええかのぅ?」
義A「パソコンはWindows派? Mac派?」
ワシ「永遠のWindows派っす」
義B「AviUtlの一択でしょ
義A「ガチ勢向けだけどAviUtlかな、他にはフォトでもできるかも」
ワシ「ほほう、ではフォトを……」
義A&B「いやいや、AviUtlにしときなさい」
ワシ「この……アヴィ、ユーなんとか? 見た目えぐくない? 怖いんだけど」
義B「シノゴノ言わずに慣れるべし!」
ワシ「え”ぇぇぇぇー」

 

というわけで、YouTubeにアップロードされているこれまでの動画を参考にしながら試してみるのだが、その時のメイキングがこちら。言うまでもなく、動画編集をやったことがないワタシの頭にはカオスの大濁流が押し寄せているのだッ……! そもそも原始人が同時に3つも4つも同時にウィンドウを開くのって相当な高度技術のような気がするのだが、大丈夫なのかこれ?

 

これがAviUtlとかいうヤベェやつ……! 頭に濁流、ワシ大混乱、机の周りは阿鼻叫喚

 

おまけにAviUtlはデフォルト設定のままだと、パワーポイントから抽出したmp4ファイルを読み込めないという大問題に気がついた! そこで義勇軍にまた助けを乞うことにしたのだった。


ワシ「せっかく撮影したパワポ読めないじゃねぇか!」
義C「デフォルト設定だと読めないよん」
ワシ「ワシの撮る動画の8割以上はパワポなのだ! どうにかしてくれなのだ」
義C「このL-SMASHを使うがよい」
ワシ「える……すまっしゅ? とは何ぞや」
義C「AviUtlを魔改造する
ワシ「え”。途端に胡散臭くなってきたけど、これ大丈夫なの?」
義C「みんなやっているから大丈夫」

 

それで、AviUtlを自称(?)専門家の人たちに助けてもらいながら魔改造した結果、晴れてパワポで作ったmp4ファイルを編集できるようになりましたとさ。ところが、一難去ってまた一難。字幕を入れるのがメチャクチャ面倒くさいことに気がついてしまった。いちいち何を喋っているかを確認して、タイミングを微調整して字幕を入れないといけないのだが、たった2分の動画でもこれをやるのが苦痛でしょうがない。

 

義B「今度はどうした」
ワシ「字幕つけるのが……面倒くさい」(泣)
義B「面倒だよな」
ワシ「うん、しんどい」
義B「……」
ワシ「……え、まさかの根性ゲー?」
義B「うん」
ワシ「ぴえん」(泣)


義B「まぁ、ちょっと待て、最近はAIが発達しているから」
ワシ「あーてぃふぃしゃる・いんてりじぇんすってやつだよね?」
義B「そう、えー・あい」
ワシ「で、その『えー・あい』がどうしたんじゃ」
義B「AIが勝手に動画を解析して字幕をつけてくれる」
ワシ「ん? んんっ?? そんないいものがあるの!?」
義B「Vrew使う」
ワシ「ぶりゅう。」
義B「とりあえず、ダウンロードしなよ。無料だから」
ワシ「さっきアヴィなんとかとか、エルなんとかとか入れたばっかなのに……」
義B「YouTuberへの道は険しいぞー」
ワシ「ぴえん」(泣)

 

勝手に字幕が入っていく……! これが「えー・あい」の実力か!!!

 

Vrewを使ってみたところ、みるみるうちに字幕が挿入されていくではないか! ところどころ間違っているのだが、微修正も簡単にできるところに感動、拍手喝采なのだ!


ワシ「勝手に字幕が入っていっとる!」
義B「21世紀へようこそ」
ワシ「ついにワシにも『えー・あい』を使う時が……!」(泣)
義B(こいつの頭の中はやっぱり19世紀レベルなのか?)

前途多難なYouTuberへの道は、まだまだ続く……。

※ Vrewは月あたり動画90分相当までしか字幕を入れてくれないらしい。要注意!

 

《内科専門医試験》呼吸器内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は呼吸器内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「COPDでは閉塞性換気障害を認める」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」とか「忘れがちだなー」というところだけまとめている(USMLEの問題集や論文で見た知識も入れているので、内科専門医試験に完全準拠しているわけではない!)。あと、定番問題も取りこぼしなく反映しているわけではないので、そこは学会公式または市販の問題集などで補ってもらえるとありがたい。一応、2022年の試験で出題された部分には★をつけておいた。

 

肺炎
・ A-DROP:男70歳~・女75歳~、脱水、SpO2 <90、意識障害、sBP <90 mmHg

結核
結核は2類感染症、乾酪性肉芽腫
・ 非乾酪性肉芽腫疾患:サルコイドーシス、過敏性肺臓炎、塵肺
ツベルクリン反応陰性化疾患:サルコイドーシス、過敏性肺臓炎、悪性リンパ腫、麻疹、低栄養

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
・ 治療はステロイド、アゾール系;最近は抗IgE抗体など生物学的製剤も
・ 診断項目:① 喘息既往・喘息症状、② 末梢血好酸球 >500 /μL(× BAL好酸球数)、③ 血清IgE >417、④ 糸状菌への即時型皮膚反応または特異的IgE陽性、⑤ 糸状菌沈降抗体または特異的IgG陽性、⑥ BALF糸状菌培養陽性、⑦ 粘液栓内の糸状菌染色陽性、⑧ CTで中枢性気管支拡張、⑨ 粘液栓喀出の既往またはCT・気管支鏡での中枢気管支内粘液栓、⑩ CTで粘液栓の濃度上昇(HAM)

呼吸機能 ★
・ mMRCが呼吸困難のgradingで重要:⓪ 激しい運動でのみ息切れ、① 早歩きで息切れ、② 息が切れるので歩行が遅い、③ 平坦な道100 m or 数分歩くと息切れして立ち止まる、④ 息切れで家から出られない or 着替えができない
・ 呼吸機能検査で残気量を含む指標(残気量、機能的残気量、全肺気量)は測れず
・ AaDO2 = PAO2 - PaO2 = (大気圧 - 飽和水蒸気圧) × FIO2 – PaCO2/呼吸商 – PaO2 = (761 - 47) × 0.21 - 44/0.8 – PaO2

喘息 ★
ピークフロー日内変動20%以上が診断の目安、気道可逆性とはβ2吸入によりFEV1が12%以上かつ200 mL以上増加することをいう
・ FeNOは気管支喘息だけでなく咳喘息でも上昇するが純粋なCOPDでは上昇せず
・ 喘息治療ステップの全てに吸入ステロイド(+ 発作時のSABA)が入る

 

喘息治療ステップ

 

・ 抗IgE抗体、抗IL-4/13抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5R抗体の使い分けには血清IgE値、末梢血好酸球数、FeNOを評価(後ろに行くに従って、アレルギー型から好酸球型寄りになるように記載)
アスピリン喘息にCOX-2阻害薬OK、ステロイドコハク酸エステル(PSL、mPSL、ヒドロコルチゾン)を避けてリン酸エステル(デキサメタゾン、ベタメタゾン)を使用
・ 妊婦の喘息治療は非妊婦と同じだがロイコトリエン拮抗薬は禁忌

COPD
・ 診断は1秒率(=1秒量/努力生肺活量)<70%
・ ただし、病期分類は%1秒量で判断(重症化するとair trappingで努力生肺活量が低値になってしまい、見かけ上は1秒率が改善しているように見えてしまうから)
・ 治療はLABA + LAMAまたはLABA/LAMA合剤が基本
・ LAMAは閉塞隅角緑内障と排尿障害を伴う前立腺肥大症には禁忌
・ 喘息病態を伴う場合(例:好酸球数 >300 /μL)は吸入ステロイド薬も考慮
・ 発作が年1回までで、mMRC 0~1と軽度ならSABA単独でも可

 

GOLD 2019 recommendations

 

間質性肺炎
・ IPFは病理所見なしの臨床診断が可能、画像が重要
・ ピルフェニドン、ニンテダニブなどの抗線維化薬が治療の中心に(ステロイドは易感染性になるので、膠原病が関与する場合などに限る)

サルコイドーシス ★
ビタミンD活性型への変換が亢進して高Ca血症に(→ PTH低下)
・ 疑ったら他臓器病変がないか注意(呼吸器、眼、心臓): 高度房室ブロック、心室中隔基部菲薄化、左室収縮不全、67Ga or 18F-FDG-PET心臓への集積、ガドリニウムMRIで心筋の遅延造影

好酸球性肉芽腫症
・ 肺門リンパ節腫脹は見られない(⇔ サルコイドーシス)
・ 眼病変は、眼球突出(⇔ サルコイドーシスのぶどう膜炎
・ 皮膚病変は、脂漏性皮膚炎様(⇔ サルコイドーシスの結節性紅斑)
・ 合併症として自然気胸(20%)、骨病変(10%)、尿崩症(10%)、好酸球増多症(10%)

肺癌
・ 非肺小細胞癌のレジメンはプラチナ製剤(入院シスプラチン、外来カルボプラチン) + 第3世代抗癌剤(ペメトレキセド、パクリタキセルドセタキセル、ゲムシタビン、イリノテカン、S-1など)、PD-L1 >50%ならペムブロリズムマブを併用
・ 非肺小細胞癌ではEGFR、ALK、BRAF、ROS1を検索
・ EGFR TyrK阻害薬での有害事象は、発疹・ざ瘡・爪周囲炎、間質性肺炎口内炎、下痢
抗がん剤有害事象のGrade分類:1, 軽症;2, 中等症;3, 重症;4, 致死的;5, 死亡であり、Grade 1-2なら対症療法のみを許容、Grade 3以上は抗がん剤終了が原則
・ 進展型小細胞癌に対しては、PS 0-2かつ70歳以下ならシスプラチン + イリノテカン(or エトポシド)、PS 0-2かつ70歳越えならシスプラチン(or カルボプラチン) + エトポシド使用; PS 0-1ならさらにPD-L1併用可

悪性中皮腫
・ 細胞診や胸膜組織でのマーカーは、カルレチニン、WT-1(Wilm’s tumor-1)、D2-40(ポドプラニン)
・ マーカーで確定診断しないようガイドラインで明記
・ 確定診断には、全身麻酔胸腔鏡下胸膜生検が推奨(組織亜型や病変の浸潤度を確実に診断するよう勧告あり)

咳嗽
・ 急性 ~3週間、遷延性 3~8週間、慢性 8週間~(急性は感染後咳嗽が、慢性は咳喘息が多い)
・ 後鼻漏や逆流性食道炎を鑑別診断に

睡眠時無呼吸症候群
CPAP適応は簡易検査AHI >40またはPSG AHI >20
・ 基準に満たない場合の治療は、減量と口腔内装具

 

YouTuber義勇軍あらわる

内科専門医試験前にYouTuberになるなんて言い出して、その後の内科専門医試験で凡ミスだらけの答案を仕上げてから早くも1週間。YouTuberの特訓がどうなっているのか、気になっている人もいるかと思う。というか、そもそもYouTuberって言葉がパワーワード過ぎるんだよ! どこまで注目を集めてしまうものなのか、正直なところ自分でもソワソワしている。そもそも出来もしないことを「やる!」とか言って、そこに注目が集まるのって、結構なレベルで精神的にゾクゾク来るものがある。

 

釜寅ランチってリーズナブルだけど凄く美味しくてビックリした!

 

それで、動画編集の技術が自分にはないということで、パワポだけでどこまでYouTuberをやれるかというのが前回までのあらすじだった。しかし、ブログを書いているうちに、SNS経由で「動画作成のノウハウを教えてやるぜ」というYouTuber義勇軍がいつの間にか結成されていたみたいで、結局は内科専門医試験の1週間前あたりから、話が妙に盛り上がってしまっている……。「挑戦するぞ!」と宣言した瞬間に、そういう義勇軍が現れるところに21世紀を感じてしまった。いやはや、こういう展開は面白い。面白いんだけど、引き下がれなくなってしまったような気がする……。

 

というか、この前の病院総合内科の朝回診の時に看護師さんたちに詰め寄られて「動画作るんでしょ! 楽しみにしている!」みたいなこと言われているくらいなので、既に完全に退路を断たれているんだよな……。噂って恐ろしいもんじゃ。

 

儂「とはいっても動画編集は素人だから……」
義「うんうん」
儂「パワポを使って、音つきで録画してそれをアップすればいいと思うんだ」
義「それならIn Shotという動画編集アプリがおすすめだよ!」
儂「!? なんじゃそりゃ。ワシは動画編集なぞやらんぞ」
義「大丈夫、直感的にできるから」
儂「直感的にできないからパワポ使うの!」
義「それで私、In Shotを使った講座を開いていて」
儂「いや、ワシは貧乏だからビタ一文払わんて」
義「今回だけ無料でサービス! 太っ腹でしょ!?」
儂「いやいや話を勝手に進めんなし! たのむ! 1ミリでもいいからワシの話を聞いてくれえぇぇーー」

 

という感じで、めでたくIn Shotというアプリを使った動画編集の猛特訓が始まってしまっている有様なのだ。それも、よりによって内科専門医試験の3日前にだぞ? 本当にいかれているし、専門医機構に対する舐めプをやっているような気分だったのだ。これで内科専門医試験に落ちたらマジで恥ずかしいぞ。

 

そういうわけで、最近はメダカの動画を使って編集の練習をしている。どんなBGMを流せるかとか、どんな効果音を使えるかとか、色々と試しているのだが、正直よく分からん。よく分からんくせに、全くできないというわけでもなく、今後の方向性がますます分からなくなった。どんどん試行錯誤して、なるようになるしかないかと観念しているところである。誰かぁ、何とかしてくれたまえええ(泣)。

 

 

YouTubeアカウントを作ったは良いが、正直なところチャンネル名も適当だし、動画も2022年秋頃までは適当に手遊びで作ったものしかアップしない予定なのだ(そもそもアップするのか?)。センスのあるチャンネル名、センスのある字幕、センスのあるアイコン、センスのある諸々……あい・にーど・おーる・おぶ・ぜむ! ひたすらもがいてがむばるしかねぇ!