つくばホスピタリストの奮闘記!

つくば市在住の感染症内科医・総合内科医によるブログ。臨床現場での雑感、感染症などの話題、日常生活について発信します。2019年は東大の感染症内科、2020~2022年は筑波大の病院総合内科に所属、2022年8月からは東京医大茨城医療センターの総合診療科で臨床助教をやっています。ここでの記載内容は個人的見解です。

その他

履歴書を書いてみる

我輩は英国MBAを取得するべくビジネススクールに通っているのだが、スクール主催で履歴書の書き方の講座が開かれていて、少し興味があったので聴講させていただいた。このスクールは情報を外に出してはいけないという内部規定があるので、詳細な内容を書くつ…

青色申告は実際のところどうなのか

この時期、我輩が恐れている行事がひとつある。確定申告だ。実際のところ、確定申告自体はさほど難しい作業ではない。紙上で作業をすると面倒くさいのだが、国税庁のHPを利用してパソコン上で確定申告書を作成すると、自動的に計算をやってくれるので、あっ…

澤口書店

茨城県に長く留まっていると、時々東京に遊びに行きたくなる。東京に観光スポットなんてあるかと言われそうではあるが、茨城県民からしてみれば東京は結構楽しめる。では、東京のどこで楽しむか。埼玉県民なら距離の近い池袋が妥当なところで、我輩も大学生…

買えない味と、買えない本

吾輩はケチである。肉を買うにもスーパーを何軒も梯子する。財布を開くのも苦痛な吾輩は、1円たりとも損したくない。だから、豚肉100 gあたりの値段に対してもかなりシビアなのである。自炊にかかるお金が200~300円くらいに落ち着くとガッツポーズして意気…

その指標はサロゲート・マーカーじゃない

臨床現場において、患者さんが元気になっているのか、それとも病状が悪化しているのかを判断するのは意外に難しい。例えば、腎盂腎炎という腎臓まわりの感染症があって、これは極めてありふれた病気なのだが、適切に診療できる医師は案外少ないものだ。とい…

億劫チャレンジャー

もともと自分は新しいことをやるのが好きな人間ではないのだが、どこのネジが外れてしまったものか、筑波大学で働きはじめた医師4年目あたりから新しいことに取り組む体質になってしまった。年に1つくらいは新しいことをはじめる。昔の自分だったら考えられ…

マインドフルネス

少し前から「マインドフルネス」という言葉が流行している。その意味は、意識的に「いまの一瞬」の感覚に集中し、自分を取り巻く世界への気づきを得ることだそうだ。スピーディーな変化に振り回されている現代社会では、自分の感覚に耳をすますことが蔑ろに…

静嘉堂の曜変天目

朝起きては論文を読み書きし、昼は患者を診察し、夜はレクチャーの準備や撮影をする。そんな生活ばかりをしていると、気がつけば生活のすべてが仕事に占拠されてしまう。そのこと自体は大きな苦痛になっていないものの、少しばかり疲れを感じることもあるし…

タイムカプセル

茨城県土浦市の小学校に通っていたが、6年生のときにタイムカプセルを埋め込もうという話がクラスで出てきた。タイムカプセルを埋め込むこと自体には当時の吾輩もまったく反対でなく、むしろ面白そうだと思っていたのだが、「いつこのタイムカプセルを開ける…

ベンチャー企業

雷門を横目に、人形焼きの甘い匂いや雷おこしを売る快活な声を通り抜ける。そのまま路地裏に入っていくと、そこには一軒のコンビニがある。コンビニの周りには使われていないビルなどが雑然と立ち並んでおり、あまり人気がない。地図で目的地を確認し直すと…

けむり

恐らくだが、この世に完全無欠の喫茶店は存在しない。というのも、心を深く沈められるような落ち着きのある喫茶店にはたいてい灰皿があるのだ。完成度の高い喫茶店ほどにこの手の問題を抱えているものだから、評判の良さげな喫茶店に行くときは細心の注意を…

手水場の紅葉を眺めて臥せる床

茨城県内で勤務するようになってからは比較的健康に過ごしているのだが、久しぶりに我が家の手水場に紅葉を散らすことになってしまい、多忙による五臓六腑の負担を実感することになった。少しばかり休養する必要があると思い、最近は仕事がない時は努めて臥…

意志と表象としての世界について

読書の中でも、哲学書は敬遠されがちである。言葉遣いが難しいし、分厚いし、読んでいると堂々巡りしているような気持ちになる。なかなか実用的な教訓を得られないということで、結局手が伸びてしまうのはハウツー本のように即効性のある書籍だったり、小説…

二十万といえども

最近、良い話があった。大学病院の勤務医は安い給与を補填するために、往々にして他の病院に外勤、つまりはアルバイトに行っていることが多いのだが、その関連で高額の日勤案件を紹介していただいたのだった。やはり肩書きが「専攻医」なのか「臨床助教」な…

「いき」という、和のエッセンス

原色が三つであることを証明するのは難しい。色の専門家であればなにかしらの知見があるのかもしれないが、少なくとも非専門家からしてみたらまったく想像もつかない。このように数多くのバリエーションの中から数少ない本質を拾い上げるのは極めて困難な作…

大きな志。そして小さな日常。—— 司馬遼太郎

文豪の書いた本を読もうと思い立ったとき、何から読み始めたらよいものか迷ってしまうことがよくあるだろう。自分も大学生時代に三島由紀夫の小説をよく読んでいたのだが、読もうと思い立ったときに何から読めばよいものか、最初は途方に暮れたものだ。 身近…

心の奥底に一杯の茶

「怠慢」といえば、自分ほどこの言葉が相応しい人間は他にいないだろうと常々思う。生まれてからずっと怠慢な生き方を続けてきていただけに、このことには自覚的であり、新しい職場に赴任する際には「自分は怠慢である」と繰り返しアピールすることを忘れな…

くわがた

騒騒しい夏が終わった。それでも朝が忙しいのは秋も変わらずだ。普段通りに論文を読んで、遅刻ギリギリで玄関を蹴破るように家を出ると、目の前に虫が腹を見せてジタバタしている。ゴキブリか、それとも季節外れのカナブンか。なんとなくカナブンっぽいと思…

生命科学から人生を捉える

つくば市立中央図書館の「返却本コーナー」を結構気に入っている。予約待ちの本がそこに並ぶことは絶対にありえないのだが、人気の高い本が並んでいることが多いからだ。図書館に行くとつい、自分の読みたいジャンルの本棚のところに向かってしまうことが多…

茨城のレンコン農家

茨城県は日本有数の米どころであり、その生産量(重さ)は平成30年の農林水産省のデータによると都道府県全体で8位にあたるようだ。いつも食べている茨城県産コシヒカリ、これはなかなか美味いもので、自分も色々な場所に旅したり下宿したりしているものの、…

昭和時代の二人の賢人

図書館にほぼ毎日通っては本を借りて、故人を含むいろいろな人の考え方を学んでいるのだが、個人的に読んでいて爽やかな気持ちになれる著者を挙げるなら、小倉昌男さんと中野孝次さんだと思う。小倉昌男さんは、ヤマト運輸で「宅配便」を生み出した伝説的経…

思いのほか難しいキャリアパス(大学院と博士号)

珍しく(?)、大きな悩みの話…… 東京医大に来てからポストに就いていると言うと「え、ポスト!? 出世早すぎない?」みたいな反応が返ってくることが多くて、さぞかし順調なイメージがあるようなのだが、当の本人としては自分のキャリアパスが見通せなくて…

劣悪過ぎる通勤路を本気でハックしてみた

通勤路は生活リズムを考えるにあたって、極めて重要な要素だ。以前の職場である筑波大学附属病院は自宅から割合近く、ママチャリを全力で漕げば10分で到着する距離だった。しかし、いまの職場である東京医大茨城医療センターはつくば市からのアクセスが非常…

良くも悪くもお部屋を賜ってしまった件

2022年8月1日を以って、東京医科大学臨床助教に任じられた! ……なんて言ってしまうと、まぁ、直前までレジデント(研修医)の身分ではあったこともあって、なんとなく新鮮な心地がしそうなものである。しかし、実際のところはやる仕事が大きく変わるとも思え…

クロネコは凄い

衝撃的な銃撃事件から参議院選を経て、また何事もなかったかのように1週間がはじまった。参議院選をみていて、野党が驚くほど受からなくなっている現状が気になった。「政党の体力がなくなってくると、ベテランしか受からなくなって、次世代が育たずにジリ貧…

やっぱ "No. 2" が大事なんだろうな

コロナ禍はまだ続いており、新型コロナウイルス感染者数もいったん落ち着いたかと思えば、この1~2週間で再度増加に転じている状況だ。クリニックなどで内科外来をやっていると感染者数がまた増えてきたなという肌感覚があるし、院内の小クラスターも以前の…

大人様ランチ690円

最近、何かのニュースで「大人様ランチ」なるものを見かけた。なんでも、とんかつ屋チェーン店のかつやがそういうメニューを始めたようなのだ。基本的に、食事はチェーン店を避けて選ぶようにはしているのだが、SNSなどで話題になったものについては一度自分…

ひとり漫才

割と近いうちに本拠地を異動する予定ということで、普段週に1回通っている外勤(アルバイト)先の病院もやめる予定である。この外勤先では一般内科外来をやっていて、長い(とはいっても3年程度の)付き合いの患者さんもたくさんいるわけだが、この顔馴染み…

マンモスの化石で元気になれるか検証中

医者として、臨床・教育・研究・執筆と多方面で仕事をするのはなかなか大変だ。「人間には1日24時間しか与えられていない」というのもそうなのだが、自分の場合はそれ以前にスタミナが足りていないので、早朝の数時間くらいしか絶好調で仕事ができないという…

内科専門医試験対策がなかなか……

病院総合内科の運営をどうのこうのとやっていると、つい自分が専攻医であることを忘れてしまう。しかし、まだ自分は20代である。実はレジデントの身分だ。ある勉強会では自己紹介した時に「レジデントですよね?」と返されたことがあるのだが、「言われてみ…