つくばホスピタリストの奮闘記!

筑波大学附属病院 病院総合内科に所属する専攻医によるブログです。まだ創設間もない病院総合内科での活動を発信していきます!!

学問と習慣 (3/4)

上級医が髪を切ってさっぱりしたのを見たのを機に、自分も3か月ぶりに髪を切ったItoです。頭がスース―して軽いのは良いですね。というか、今までがモッサリし過ぎていた。ただ、以前は御徒町の老夫婦に600円カットをお願いしていたこともあって、髪を切るのに1,200円かかるのもちょっと辛いものですね……。茨城県、食材やお花などは安いのですが、外食とか理髪店に関しては東京とあんまり変わらんので、そこのところはご注意を。

 

最近、いいことがありました。感染症のトップジャーナルであるClinical Infectious Diseases誌 (CID) に病院総合内科 2本目の論文がアクセプトされました! 1年で2本CIDに載るのはちょっと運良すぎな感じで、どこかで運を使い果たしていやしないかと心配になってしまいますが…….。どんな内容かというと、脳膿瘍患者に対して痙攣予防が必要か、という議論の論文。筑波大学附属病院 病院総合内科には驚くほどたくさん外傷性クモ膜下出血の患者さんが入院するので (常時3人は受け持っているレベル)、嗜みとして頭部外傷の論文をたくさん読み込んでいたのですが、そこでの知識を生かすことが出来たわけです。脳神経外科のcontroversialな知識を感染症領域に密輸入したような内容なので、純粋な感染症内科医には絶対に書けない論文だと勝手に思っています。……本当は外傷性クモ膜下出血をほぼ全例一般内科で診ている時点で色々とオカシイのですが、そこはツッコミなしで。

 

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寛永堂 (京都府三条) の大納言清澄:黒豆茶と抜群に合います!

 

雑談が長くなりました。どのようにして勉強の習慣を身に着けるかという話題でシリーズものを組んでいましたが、それも4回中3回目に突入です。まぁ、病院総合内科の宣伝をするためのデータをまとめるのに時間がかかりすぎて尺を稼いでいるだけなんですけどね。次々回あたりから路線を戻せればいいなぁと思っています。そのためにも、病院総合内科の患者数を半分以上減らさなければ (汗)。まだまだコロナ禍のあおりをもろに受けている状況です。

 

前回は「振り返りノート」を紹介しました。「振り返りノート」は何か物事を始めてからそれを習慣として定着させるまでの大きなヤマを乗り越えるために有用なツールとして紹介させていただきました。今日紹介するのは、勉強するタイミングのお話です。「朝一番」なんて名前をシリーズ最初のブログで書いていましたが、箇条書きするために半ば強引にネーミングをつけていただけです。

 

改めて説明するまでもなく人間には朝型人間・夜型人間があるわけですが、Itoはゴリゴリの超朝型人間でございます。Itoは臨床論文を相当読み慣れていて、1日に15本 英語論文を読むこともその気になれば出来てしまうのですが、実はそれが可能なのは朝だけで、昼とか夜はとても読むことが出来ません。いちおう昼とか夜でも形式的に読むことは出来るのですが、論文を読んでも文字の上を視線がツルーッと滑ってしまう感じで、実際には読み込めないことが多いのです。何が言いたいかというと、人間には得意不得意があるものだけれど、得意なものが真に得意になるような時間帯があるということです。自分自身のパフォーマンスが1日のうちで最高になる時間帯を知っておくのは悪いことではない

 

Itoは朝5時に起きて、珈琲豆を挽きながら日本語論文を3本読んで、珈琲が入ってから朝6時30分までの間に英語論文を最低3本読むことを日課にしています (そして朝7時に家を出て大学へ)。この「朝5時」の部分ですが、「朝5時」が自分の場合に一番上手くいくことを発見するまでにだいぶ時間かかりましたね。例えば、大学4年生頃は朝3時30分に起きて、5 kmばかりジョギングしてから教科書を読むみたいなことをやっていましたが、教科書のページが進むだけで眠気で頭に意外と入ってこなかったです。つまり、超朝型だからといって、無暗に早起きすればいいという話でもないようです

 

個人差があるところなので、各々が得意な時間帯を見つけてほしいというのが正直なところですが、朝5時から朝7時が大丈夫という人は、この時間帯を味方につけるとかなり強いと思います。というのも、雑音がない。誰も起きていないし、メールも基本的に来ない。出勤までという形で時間制限もかかるので、勉強に締め切り効果を取り入れやすいというメリットもある。最高じゃないですか。それに、太陽より早く起きて日の出直前の青みがかった空を仰ぎ見るのもまた、心が透き通っていく感じがして良いものです。BGMは勿論、加古隆の「青の地平」で。Itoにとって、夜明け前は人間社会の穢れを洗い流せる貴重なひとときなのです。

 

眠気の話が出たので、少し違うお話も。実はItoは患者さんの全身状態が安定している時は15分程度の昼寝を欠かさないようにしています。というのも超朝型なので、昼12時が体感的に16時くらいに感じられて結構バテバテなのです。眠たい目をこすって1時間業務をするのと15分の仮眠で冴えた頭で45分業務をするのでは、後者の方が数倍の成果をあげられるに決まっている。というわけで、(まことに不遜ながら) Itoが病院総合内科に入る前に、科長のK先生に「患者さんが落ち着いていたら昼寝していいですか?」と確認をとっていたこともカミングアウトしておきます。「いいよー、全然問題ないです。眠いまま仕事するのは僕も辛いから」とコメントいただいたので、安心して病院総合内科入りを決意できたわけです (不遜なことを言って本当にすみませんでした!)。もっとも、患者さんの全身状態が落ち着いていなかったり、新患が来そうだったりする時は当然、昼寝時間ナシですけどね。

 

※ あと、昼寝に関しては以下の文献がよくまとまっていますので、参考までにどうぞ。Itoの昼寝観はこの文献に結構影響されています。

 

ということで、学問を習慣化する上では得意な時刻の把握や、上手な睡眠のとり方も重要だと思いますよー、というお話でした。自分自身の1日のバイオリズムをよく把握した上で、絶好調のタイミングで重要なことをこなし、どうでもいいことは絶不調なタイミングにわざとぶつけておく (常にパフォーマンスを最高に、という人がいますが、個人的にこれは100%無理です)。体調と業務を上手くマッチングさせることが、持続可能な努力には大切だと思います。