つくばホスピタリストの奮闘記!

つくば市在住の感染症内科医・総合内科医によるブログ。臨床現場での雑感、感染症などの話題、日常生活について発信します。2019年は東大の感染症内科、2020~2022年は筑波大の病院総合内科に所属、2022年8月からは東京医大茨城医療センターの総合診療科で臨床助教をやっています。ここでの記載内容は個人的見解です。

《内科専門医試験》消化器内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は消化器内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「ノロウイルスは急性腸炎の原因となる」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」とか「忘れがちだなー」というところだけまとめている(USMLEの問題集や論文で見た知識も入れているので、内科専門医試験に完全準拠しているわけではない!)。あと、定番問題も取りこぼしなく反映しているわけではないので、そこは学会公式または市販の問題集などで補ってもらえるとありがたい。一応、2022年の試験で出題された部分には★をつけておいた。

 

消化管ホルモン
・ ガストリン:胃幽門前庭部や十二指腸球部のG細胞由来で胃酸分泌促進と下部食道括約筋収縮
・ セクレチン:十二指腸・空腸のS細胞由来で膵液・胆汁分泌亢進とガストリン分泌抑制(胃酸分泌抑制)
・ CCK:十二指腸・空腸のI細胞由来で胆嚢収縮、オディ括約筋弛緩、膵酵素分泌亢進、胃酸分泌抑制
セロトニン:胃~大腸のEC細胞由来で消化管運動促進

嘔気・嘔吐 ★
ステロイドデキサメタゾンを使用
・ 末梢性D2受容体拮抗薬:メトクロプラミド、ドンペリドン
・ 中枢性D2受容体拮抗薬:プロクロルペラジン
・ その他:アプレピタントやラモセトロン(NK-1拮抗薬)、オンダンセトロンやグラニセトロン(5-HT3受容体拮抗薬)、三環系抗うつ薬トリプタノールなど)、ガバペンチン、オランザピン
※ 精神科疾患に使う薬が選択肢に並ぶ中で「嘔吐に使えるのは?」と出題

胃食道逆流症
・ 日本での有病率は10%で増加傾向
・ 食道粘膜障害と自覚症状は必ずしも相関せず
・ GERDとNERDは別病態の可能性(NERDは知覚過敏かも)
PPIによる慢性合併症として、CD腸炎、肺炎、間質性腎炎、認知症、ミオパチー、骨折、貧血、肝性脳症、胃底腺ポリープ、汎血球減少など

好酸球性食道炎 ★
・ 欧米で多く、日本には少ない(日本に多いのは好酸球性胃腸炎
・ 「嚥下症状や痞え感」と「食道粘膜上皮内に15/HPF以上の好酸球」が必須
・ 他の診断基準に、食道内の白斑・縦走溝・気管様狭窄(内視鏡画像を確認するべし)、画像検査での食道壁肥厚、末梢血好酸球増多、男性、PPIへの反応不良
・ 治療の第一選択は(反応不良だけど)PPIで、他にステロイド局所療法(噴霧・嚥下)、原因食物除去、内視鏡治療
※「全身性ステロイド」は典型的な間違い選択肢(好酸球性胃腸炎であれば正解)

 

Hawari R, et al. N Engl J Med 2007;356:e20.

 

好酸球性胃腸炎
・ 診断基準が少し食道炎とズレる:①有症状、②粘膜内好酸球20/HPF以上、③腹水中に多数の好酸球、④喘息などアレルギー疾患の既往、⑤末梢血中の好酸球増多症、⑥CTでの胃腸管壁の肥厚、⑦内視鏡で腸管浮腫・発赤・びらん、⑧ステロイド有効 ※ 上記の①かつ「②または③」で診断され、④以降は参考所見
・ 治療のエビデンスは未確立だが、全身性ステロイド、原因食物除去、抗アレルギー薬(特にロイコトリエン拮抗薬)

ナッツクラッカー食道
・ Ca拮抗薬や亜硝酸塩などの薬物療法、バルーン拡張術やボツリヌス毒素局注などの内視鏡治療がある

食道癌 ★
腫瘍マーカーは、CEAやSCC以外にCYFRA、抗p53抗体まで覚える!
・ cStage Ⅳを除いてすべての進行度で手術適応あり
・ cStage Ⅱ・Ⅲは術前化学療法が推奨

食道手術
・ 裂孔ヘルニアはNissen手術
・ アカラシアはHeller-Dor手術

消化性潰瘍
・ 消化性潰瘍や食道静脈瘤に対する治療法(止血手技など)を押さえておく! ★
・ 2nd look内視鏡は出血リスクが高くなければ必須でない
・ NSAIDs潰瘍は、① 投与3か月以内に好発、② 幽門前庭部に多い、③ 浅い潰瘍が多発、④ 半数が無症状、⑤ 投与量と発生率は相関、⑥ 経口薬と座薬で発生率に差がないというのが特徴(参考:ピロリ菌感染性胃炎の潰瘍は胃角部~体部に好発)
・ 日本内科学会的には、ステロイドは消化性潰瘍の発生リスクでない
・ 消化性潰瘍穿孔に対しては保存的加療優先、ただし70歳以上は手術優先

ピロリ菌
・ ABC検診は、HP抗体検査 + ペプシノゲン(PG)で判定;A群はHPAb(-)・PG(-)で胃癌リスクほぼなし、B群はHPAb(+)・PG(-)で胃癌0.1%/年、C群はHPAb(+)・PG(+)で胃癌0.2%/年、D群はHPAb(-)・PG(+)で胃癌1.25%/年
※ PGは萎縮性胃炎を反映(D群はピロリ菌が住めないほどにまで粘膜が萎縮)
・ 除菌判定は除菌後4週間以降;除菌後の再感染率は2%程度
・ 鳥肌胃炎は、前庭部を中心としてリンパ濾胞過形成で若年者に好発、胃癌発生ハイリスクなので、これもピロリ菌除菌を
・ ピロリ菌未感染胃の特徴は、① RAC(regular arrangement of collecting venules)、② 過形成ポリープを覚えておく
※ 他にも色々な胃粘膜所見があるが(いわゆる京都分類)……上2つ以外の所見は感染胃だけで見られる or 感染の有無を問わず見られる所見ということで、出題に不向きなのだ(セコい?)

胃癌
・ 切除不能・進行胃癌に対する化学療法(2018年)は、一次レジメンがS-1やカペシタビンにプラチナ製剤を組み合わせる方法、二次レジメンがweekly PTX + ラムシルマブ(抗VEGFR抗体)、三次レジメンがニボルマブやイリノテカン単剤
・ HER2陽性胃癌であれば一次レジメンでトラスツマブを併用

胃粘膜下腫瘍
・ 2 cm未満で、潰瘍・増大・不整などがなければ経過観察
・ そうでなければ、EUS-FNA
・ 5 cmを越えるとさすがに外科的切除(GISTの場合も外科的切除)
・ GISTはc-kit(+)・CD34(+)、筋原性腫瘍はデスミン(+)、神経原性腫瘍はS-100(+)

潰瘍性大腸炎
・ 重症度判定の項目は、① 排便回数6回以上、② 顕血便、③ 体温37.5℃以上、④ 脈拍90回/分以上、⑤ Hb <10 g/dL、⑥ ESR >30 mm/hr
・ 発癌リスク因子は、① 慢性持続型、② 若年発症(10~20代)、③ 全大腸炎型、④ 発症10年以降の左大腸炎型、⑤ 原発性硬化性胆管炎合併、⑥ 大腸癌家族歴
潰瘍性大腸炎は喫煙で症状が緩和(⇔ クローン病では悪化)
・ 炎症性腸疾患のバイオマーカーとして便中カルプロテクチン、血清ロイシンリッチα2グリコプロテインがある
・ 治療として5-ASA製剤を使用する場合はアレルギーに注意、DLSTで診断して薬剤中止だが、重症アレルギーはステロイド

大腸癌
・ ロボット支援下手術が保険収載
・ マイクロサテライト不安定性検査でMSI-Highの場合は免疫チェックポイント阻害薬を使用可能
・ 切除不能な進行・再発大腸癌に対しては、ベバシズマブ(抗VEGF抗体)、セツキシマブやパニツムマブ(抗EGFR抗体)、ラムシルマブ(抗VEGFR-2抗体)
・ 抗EGFR抗体を使う場合は、そのシグナル上流にあるRAS遺伝子に変異がないかを前もって確認する

過敏性腸症候群
・ ROME Ⅳ診断基準では、6か月以上前に発症し、繰り返す腹痛が最近の3か月で少なくとも平均週1回の頻度であり、下記の2つ以上を満たす状態:①排便に関連、②便の頻度の変化に関連、③便形状の変化に関連(※「排便によって改善」はROME Ⅲ)

B型肝炎
・ Genotype C(85%)が肝細胞癌ハイリスク、B(10%)は劇症化リスクあり、A(5%)は慢性化しやすく日本の若年者間で増加傾向
・ 治療適応は、HBV DNA 2,000 IU/mL(3.3 Log IU/mL)以上かつALT >31 U/L
・ 治療の短期目標は① ALT持続正常化、② HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性、③ HBV DNA増加抑制で、長期目標はHBs抗原の消失
・ 原則としてPeg-IFN治療(48週間)が第一選択で、忍容性に問題 or 肝硬変では核酸アナログ(エンテカビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド)
・ ラミブジン使用症例では耐性獲得の懸念があるため、上記核酸アナログへの切り替えを検討する

C型肝炎
・ 日本で一番多いのはgenotype 1b!
HBVはC型、HCVは1b型が最多なので、「BはC、CはB」と覚えるべし
・ 合併症として、膜性増殖性糸球体腎炎、クリオグロブリン血症、晩発性皮膚ポルフィリン症慢性甲状腺炎悪性リンパ腫
・ 非代償性肝硬変も含め、全てのHCV感染症で直接作用型抗ウイルス薬の適応
・ 治療例として、ソホスブビル/ベルパタスビルを12週間投与し、治療終了後24週間でウイルス排除判定(このレジメンのSVRは90~95%と高く、慢性肝炎でも代償性肝硬変でも同等の成績になる)

E型肝炎 ★
・ HEVの潜伏期は2週間~2か月程度(HAVより長い)
・ 豚、イノシシ、シカの生食により経口感染;糞口感染もある
・ 東アジアや南アジアで多いが、日本では輸入感染例より国内感染が多いと推定
・ 自然改善する点はA型肝炎と同様;劇症化もある

劇症肝炎 ★
・ 初発症状出現後8週以内に高度の肝機能異常に基づいて昏睡Ⅱ度(羽ばたき振戦)以上の肝性脳症をきたし,PT 40%以下を示すものと定義
・ 急性型は10日以内の脳症発現、亜急性型は11日以降の脳症発現で、亜急性型の方が予後不良

肝硬変
・ Child-Pugh分類として、Bil、Alb、腹水、肝性脳症、PT-INR(スコアリングができるように! 語呂合わせは「ビア腹のPatient」だゾ)
・ 血中線維化マーカーとして、プロコラーゲンⅢポリペプチド(P-Ⅲ-P)、ヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲン(7S含む)、Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)

自己免疫性肝炎 ★
・ 中年以降の女性、HLA-DR4保有者に多い
・ 抗核抗体・抗平滑筋抗体陽性、IgGなどγグロブリン上昇(急性期は陰性かも)
・ 合併しうる自己免疫疾患として、慢性甲状腺炎、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス
※ 色々な自己免疫疾患が選択肢に並んでくるので正直、結構迷います……
・ AZAテーパリング療法;6か月で治療効果判定(NUDT15遺伝子多型はAZA副作用としての白血球減少・脱毛リスクとなる)

Wilson病 ★
・ ATP7B遺伝子異常、常染色体劣性遺伝
・ 血清銅・セルロプラスミンが低下
・ 合併症は、角膜色素沈着、臓器への銅蓄積、肝硬変、肝細胞癌
・ 他に注意すべきは、溶血性貧血、大脳基底核症状(パーキンソニズム)、認知症、ジスキネジア、構音障害
※ Hemolytic anemia, Basal ganglia degeneration, Dementia, Dyskinesia, Dysarthriaなので、無理矢理まとめるとCopper is Hella BAD!という語呂合わせに

ヘモクロマトーシス ★
・ HFE遺伝子異常
・ 合併症は、肝硬変、糖尿病、皮膚色素沈着

特発性門脈圧亢進症
・ 中年女性に好発、原因不明の前類洞性門脈圧亢進症
・ 肝外門脈や肝静脈の閉塞がなく、肝生検では門脈域の線維化のみ(肝実質は正常だし、肝胆道系酵素もほとんど上昇しない)
・ 脾腫が必発で、血小板低下時には脾摘することも
・ 門脈圧亢進に対して門脈圧減圧術(左胃静脈-下大静脈吻合、脾腎静脈吻合など)

肝外門脈閉塞症
・ 幼児期と40歳以降に好発
・ 肝門部の海綿状血管増生が特徴

Budd-Chiari症候群
・ 下大静脈の閉塞により肝硬変を起こし、肝不全なら移植適応
・ 診断から死亡まで平均で12~13年
・ 腹壁静脈の怒張はメドゥーサの頭状

体質性黄疸 ★
・ Gilbert症候群はUGT1A1機能障害が原因で、家族性・男性に多く、過労・絶食時の黄疸(動揺性黄疸)が特徴、尿ウロビリノゲン正常
・ Dubin-Johnson症候群はMRP2異常が原因でBSP試験では90分以降のリバウンド現象あり、ICG試験は正常、黒色肝が特徴で経過観察OK
・ Roter症候群ではBSP試験・ICG試験どちらも著明な延長
※ Crigler-Najjar症候群は小児の疾患なのに、選択肢にはバッチリ出てきた

胆石
・ 成人の胆石保有率は10~15%で、リスク因子は40歳以上、女性、肥満、白人、多産、エストロゲン製剤、ピル、ダイエット
・ 胆石発作にはブチルスコポラミン、フロプロピオン、NSAIDs(予防にはウルソ検討)

胆嚢ポリープ
・ 多くは無症状で、桑実性・有茎性・多発性・高輝度が特徴、1 cm以上なら胆摘も
※ ポリープではないが……胆嚢腺筋症の超音波所見は勉強しておいていいかも ★

原発性硬化性胆管炎
・ 男性に多い慢性胆汁うっ滞で、右上腹部痛・消長する黄疸・皮膚掻痒が特徴
・ 胆管の硬化性線維性狭窄(数珠状狭窄)を認める
・ 胆道系酵素上昇、ANCA陽性、時に抗核抗体や抗平滑筋抗体も陽性
潰瘍性大腸炎胆管癌を合併しうる
・ 対症療法主体であり、根治を目指す場合は肝移植の適応も

原発性胆汁性胆管炎
・ 女性に多い慢性胆汁うっ滞で、無症候性が多い(あるとしたら皮膚掻痒)
・ 肝生検では慢性非化膿性破壊性胆管炎
・ 胆道系酵素上昇に加え、脂質異常症、血清銅・セルロプラスミン上昇も
好酸球増多症、IgM高値、抗ミトコンドリア抗体(M2含む)陽性
・ 合併症として、骨軟化症、骨粗鬆症、皮膚黄色腫(脂質異常症)、食道静脈瘤(肝硬変)、シェーグレン症候群、RA、橋本病など
・ 対症療法主体で、ウルソやベザフィブラートなどを使用、根治には肝移植
・ 皮膚掻痒にはH1RAやナルフラフィン、骨粗鬆症にはビスホスホネートなど

急性膵炎
・ 三大原因(胆石・アルコール・特発性)以外に、HIVマイコプラズマでも発生
・ 慢性膵炎への移行率は3~15%と低め
モルヒネが禁忌なのは、oddi括約筋収縮作用があるから
・ 48時間以内の経管栄養が推奨
・ 軽症への予防的抗菌薬の推奨なし、重症・壊死性でもエビデンス乏しい
・ 蛋白分解酵素、H2RA、PPI、TPNなどのルーチンも推奨されていない
・ 腹腔コンパートメント症候群は膀胱内圧測定でモニタリング

慢性膵炎 ★
・ 代償期は膵機能が維持され腹痛や背部痛あり、非代償期は膵内外分泌機能不全(膵性糖尿病;脂肪便、下痢、体重減少)
※ 「非代償期には激しい腹痛を認める」みたいな間違い選択肢で出題
・ 慢性膵炎の診断基準:① 画像所見(石灰化、MRCP、ERCP、EUS)、② 組織所見、③ 反復する上腹部痛・背部痛、④ 血中・尿中膵酵素異常、⑤ 膵外分泌酵素、⑥ 純エタ60 g/日以上の飲酒歴または膵炎関連遺伝子異常(PRSS1, SPINK1)、⑦ 急性膵炎の既往
・ 禁煙・禁酒が重要
・ 脂肪制限:代償期30~35 g/日;非代償期40~70 g/日または全カロリーの30~40%
インスリンだけでなくグルカゴンも減るため低血糖リスクが高い
・ 膵酵素補充療法(高力価消化酵素薬:腸溶型パンクレアチン製剤)が推奨
※ 急性膵炎との相違点なので出題しやすいのかも
・ 胃酸分泌抑制薬も症例次第では推奨
・ 疼痛管理は、NSAIDs → 弱オピオイド → 強オピオイド

自己免疫性膵炎
・ IgG4関連・中高年男性好発で、日本では1型、欧米では2型が多い
・ 無症状または軽度の腹痛・背部痛で発症、閉塞性黄疸や糖尿病を合併
・ ERCPでは主膵管狭細像
・ 病理所見:①高度のリンパ球・形質細胞浸潤と線維化、②多数(>10/強拡1視野)のIgG4陽性形質細胞浸潤、③花筵状線維化、④閉塞性静脈炎
ステロイドが著効

膵・消化管内分泌腫瘍
・ NETかNECかの鑑別診断は核分裂像やKi-67指数で表か
・ NETはソマトスタチン受容体シンチグラフィ、NECはFDG-PETで集積が出やすい傾向にある
・ 原則として切除
・ 切除不能例での対応:NETはエベロリムスやオクトレオチドで治療、NECはプラチナ製剤やエトポシド、イリノテカンなどで治療
※ オクトレオチドは2022年時点で膵内分泌腫瘍に適応なし(消化管のみ収載)

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
・ 高齢男性に多く、膵頭部に好発し、乳頭状増殖する膵管内腫瘍
・ 多くが無症状で、稀に腹痛
・ 手術適応:膵頭部嚢胞の閉塞性黄疸、造影効果のある壁在結節、主膵管型で主膵管径10 mm、分岐型では主膵管径5 mm

粘液産生膵腫瘍(MCN)
・ 中年女性に多く、膵体尾部に好発、卵巣様間質を伴っていて膵管と交通しない
・ 多くが無症状で、稀に腹痛
・ 治療は外科切除

漿液性嚢胞腫瘍(SCN)
・ 中年女性に多く、膵体尾部に好発、嚢胞内に漿液を含む
・ 大半が無症状で、画像では蜂巣状の小嚢胞集簇あり
・ 悪性化は稀なので経過観察だが、4 cm以上なら外科切除