つくばホスピタリストの奮闘記!

つくば市在住の感染症内科医・総合内科医によるブログ。臨床現場での雑感、感染症などの話題、日常生活について発信します。2019年は東大の感染症内科、2020~2022年は筑波大の病院総合内科に所属、2022年8月からは東京医大茨城医療センターの総合診療科で臨床助教をやっています。ここでの記載内容は個人的見解です。

病院総合内科を一旦辞めることについて

2022年7月末をもって筑波大学附属病院の病院総合内科(レジデント)を辞して、同年8月から東京医科歯科大学茨城医療センターの総合診療科へと異動する予定である(正式な辞令が来ていないので、ポストに関する情報公開は控えさせていただく)。茨城県南の地…

クロネコは凄い

衝撃的な銃撃事件から参議院選を経て、また何事もなかったかのように1週間がはじまった。参議院選をみていて、野党が驚くほど受からなくなっている現状が気になった。「政党の体力がなくなってくると、ベテランしか受からなくなって、次世代が育たずにジリ貧…

歴史の転換点

安倍元首相の銃撃・訃報に衝撃を受けている。時代の流れの、不可逆のスイッチがついに押されてしまった。そんな気分だ。これまでも時代が悪い方向に流れている感覚があったわけだが、それが確定してしまったような……。 最近行った草津温泉。日本がどんなに壊…

即席知識@臨床

なんでも屋(総合内科医)として臨床をやっていると、時にまったく経験のない疾患を診療しないといけないことがある。本来であれば、そういった疾患を抱えた患者さんはプロフェッショナルに紹介しないといけないところなのだが、あいにく医者は忙しい。例え…

やっぱ "No. 2" が大事なんだろうな

コロナ禍はまだ続いており、新型コロナウイルス感染者数もいったん落ち着いたかと思えば、この1~2週間で再度増加に転じている状況だ。クリニックなどで内科外来をやっていると感染者数がまた増えてきたなという肌感覚があるし、院内の小クラスターも以前の…

我らが足元の「少子化」対策

医療機関にとって、梅雨明けは専攻医向けの新歓シーズンが到来したことを意味する。筑波大学附属病院も例外ではなく、各診療科が競うように院内にポスターを貼っては新歓に力を入れてきている状況だ。某内科は某大河ドラマをパロディーにした派手なポスター…

心電図を学びなおすのだ!

実は最近、こっそりと心電図を学びなおしている。というのも、筑波大学附属病院の病院総合内科では循環器内科出身の指導医が患者さんの心電図を読まれていることもあって、自分はあまり真面目に心電図を読んでいなかったのだが、新しい職場は総合内科医ばか…

《内科専門医試験》血液内科まとめ

白血病総論 ★・MPO染色 >3%:AML(ただし、M0、M5、M7は時に <3%)・MPO染色 <3%:ALL・特異的エステラーゼ染色陽性:骨髄系M1~M4・非特異的エステラーゼ染色陽性:単球系M4・M5※ これらの染色所見の組み合わせでMの何番かを問われる・B細胞系はCD10・CD19…

『せん妄診療はじめの一歩』、再読

医師年数が5年を越えてくると、初期研修医時代から繰り返し読んできた書籍でも「もうそろそろ手元になくても大丈夫かな」と思えてくるような医学書が増えてくる。医師の部屋は学会誌などで常に圧迫されているもので、少しずつ書籍を手放していかないと、歩く…

《内科専門医試験》代謝・内分泌科まとめ

CYPを誘導する薬物・嗜好品・代表的なものは、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウなどで、ステロイドユーザーにこれらの薬剤を使用する場合はステロイド増量を要することも・喫煙はCYP1A2を誘導・エタ…

『マレーシア大富豪の教え』:粘るべきか、撤退するべきか

日本では「大富豪の教え」と銘打った本が数多く出版されており、なんとなく2005年前後の「品格」ブームを思い出すところがあるのだが、最近『マレーシア大富豪の教え』なる本を借りて読んだ(図書館で視界に入った本を片っ端から借りて読んでいる)。この本…

《内科専門医試験》腎臓内科まとめ

総論・PAS染色はメサンギウム器質病変を検出:IgA腎症、急性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎・PAM染色は膜(Maku)病変を検出:膜性腎症(膜にスパイク)、膜性増殖性糸球体腎炎(膜が二重)、ループス腎炎・気道感染を契機とした血尿の鑑別…

《内科専門医試験》感染症・アレルギー・膠原病まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は感染症内科とアレルギー膠原病内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「風邪に抗菌薬は使わない」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面…

「medicina」2022年6月号が出ました ‼

最近出版された『経営者』(新潮文庫)、気になって書店で時折立ち読みしていたのだが、たまたまつくば駅前の図書館に単行本が置いてあるのを見かけたので、借りてガッツリ、楽しく読ませていただいた。とはいっても、自分のようにバブル経済の時期を知らな…

《内科専門医試験》神経内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は神経内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「脳梗塞は脳の血管が血栓などで詰まって起こる」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白い…

仮想クビのすすめ

いきなり「クビ」とはなんと物騒な言葉を!と思われたかもしれないが、ちょうど所属が変わる時期なので、こういう物騒な話題をしても大丈夫だろうということで、敢えて持ち出してみた。医療機関において医者が干されることは多々あるようなのだが、「クビ」…

《動画編集》AviUtl? Vrew? もう頭がメチャクチャだぁ

YouTuber義勇軍からIn Shotを教わってもらってからというもの、スマホ内に撮りためてきた動画を使って動画編集の練習をしていたのだが、大変なことに気がついてしまった。「自分が作る教育動画ってスマホじゃなくてパソコンで作る予定だから、このままだとマ…

《内科専門医試験》呼吸器内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は呼吸器内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「COPDでは閉塞性換気障害を認める」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」とか…

YouTuber義勇軍あらわる

内科専門医試験前にYouTuberになるなんて言い出して、その後の内科専門医試験で凡ミスだらけの答案を仕上げてから早くも1週間。YouTuberの特訓がどうなっているのか、気になっている人もいるかと思う。というか、そもそもYouTuberって言葉がパワーワード過ぎ…

《内科専門医試験》消化器内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを順次公開している。今回は消化器内科、もし間違いを見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「ノロウイルスは急性腸炎の原因となる」みたいな基本知識は全然入れていなくて、個人的に「面白いなー」…

《内科専門医試験》循環器内科まとめ

内科専門医試験対策の一環でまとめていたノートを一部公開することにした。今回は循環器内科、この分野は素人なので間違いもそれなりにあると思っている。もし見つけたら教えていただけると幸いである。なお、「心筋梗塞ではトロポニンが上昇する」みたいな…

《内科専門医試験》いやぁ、これは長門ゲーでしたね

内科専門医試験を受験してきた。が、会場が横浜だったものだから、茨城から出てきたついでに色々と華やかな夜のベイエリアを楽しんできた。赤レンガ倉庫はリニューアルのために閉鎖中だったが、その周りに新しい建物がたくさん建設されているようで、ちょっ…

「さむねいる」をお勉強した!

ひょんなことから始まってしまった「ゆーちゅーばーにおれはなるッ!」企画。正直なところなれる気が全くしないのであるが、それでも「なるッ!」って宣言してみないと永遠にきっかけを掴めずに終わってしまいそうだったので、できもしないくせに無理して宣…

大人様ランチ690円

最近、何かのニュースで「大人様ランチ」なるものを見かけた。なんでも、とんかつ屋チェーン店のかつやがそういうメニューを始めたようなのだ。基本的に、食事はチェーン店を避けて選ぶようにはしているのだが、SNSなどで話題になったものについては一度自分…

ひとり漫才

割と近いうちに本拠地を異動する予定ということで、普段週に1回通っている外勤(アルバイト)先の病院もやめる予定である。この外勤先では一般内科外来をやっていて、長い(とはいっても3年程度の)付き合いの患者さんもたくさんいるわけだが、この顔馴染み…

病院総合内科 2021年度入院実績

はじめに 診療体制の変化で慌ただしくなっており、公表が遅れてしまいましたが、昨年度の病院総合内科における診療実績を公表いたします。病院総合内科への参加を考えている皆様、ホスピタリスト業のみでJ-OSLERを完遂することに不安を抱えている皆様にとっ…

マンモスの化石で元気になれるか検証中

医者として、臨床・教育・研究・執筆と多方面で仕事をするのはなかなか大変だ。「人間には1日24時間しか与えられていない」というのもそうなのだが、自分の場合はそれ以前にスタミナが足りていないので、早朝の数時間くらいしか絶好調で仕事ができないという…

内科専門医試験対策がなかなか……

病院総合内科の運営をどうのこうのとやっていると、つい自分が専攻医であることを忘れてしまう。しかし、まだ自分は20代である。実はレジデントの身分だ。ある勉強会では自己紹介した時に「レジデントですよね?」と返されたことがあるのだが、「言われてみ…

後輩に仕事を任せてみて

年度が変わり、新しく専攻医になった先生方に仕事の8割くらいを任せるようになってから約1か月が経った。病棟管理に関していえば、自分が切り盛りしていた数か月前ほどの安定感はないように見える。が、彼らが1か月前まで初期研修医だったことを差し引いて考…

忙しいんだか、忙しくないんだか

年度が変わり、病院総合内科の体制が大きく変化した。このことは前々から繰り返しこのブログでも書いてきたことではあるのだが、年度が始まってからGWに差し掛かるまでのこの3週間の変化は、病院総合内科はじまって以来なのかもしれないと感じている。規模的…